コンクール

第7回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門予選第1日目レポート

宮城県仙台市。
2019年は03年に一度のコンクールイヤー。
05月25日から仙台国際音楽コンクールピアノ部門の予選が始まる。
「そうだ コンクール、行こう。

音楽コンクールの楽しみ方は色々あると思うけれど、個人的に最も興味深いのが予選。
なぜなら、参加者全員…それぞれの努力や想い、人間ドラマを垣間見ることができるから。

ある時は参加者の気持ちで…またある時は指導者の気持ちで…更には家族や友人…音楽ファンの一般市民として…色んな立場を想像しながら鑑賞してみた。

第7回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門予選第2日目レポート引き続き、ピアノ部門予選第2日目のレポートです。 https://auntkokeko.com/the7th-sendai-inter...
第7回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門予選第3日目レポート引き続き、ピアノ部門予選第3日目のレポートです。 https://auntkokeko.com/the7th-sendai-inter...

仙台国際音楽コンクール

仙台国際音楽コンクールとは

仙台国際音楽コンクールとは、3年毎に仙台市の主催で行われるコンクールである。
伊達政宗による仙台開府四百年を記念して2001年(平成13年)に創設された。
才能ある若い音楽家を輩出することにより、世界の音楽文化の振興及び国際的文化交流の推進に寄与することを目的としている。
ちなみにユジャ・ワンは2001年第1回開催時の3位入賞者だ。

ピアノ部門予選課題曲

任意の独奏曲で、35分以上かつ40分を超えない演奏時間のリサイタルプログラムを構成し、演奏する。
ただし、下記の作曲家の作品から1曲以上、かつ、10分以上の演奏を含めなければならない。

J.S.バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、ブラームス

  • 曲数、各曲の長さについては特に指定しない。ただし、ピアノ・ソナタを選んだ場合には全楽章を演奏すること。
  • 特殊奏法(内部奏法、プリペアドピアノ、トーンクラスターなど)を含む作品は選択の対象外とする。

 

第1目の演奏
2019年05月25日(土)

ユン・ジュン(韓国)
YOON joon(Korea)

  • モーツアルト:ピアノ・ソナタへ長調K332
  • スクリャービン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ第10番op.70
  • ラヴェル:ラ・ヴァルス

初っ端から度肝を抜かれるような強烈な音。
会場内の空気はまだ充分に温まっているとは言えない状態にもかかわらず、完全にスクリャービンの世界に入り込んでいる‼︎
ラヴェルではオーケストラが見えた。
コチラはじぃ~っと座って聴いているだけなのに心拍数が上がっていた。
素晴らしい。
強いて言えば、モーツァルトもかまってあげて欲しかったなぁ~。

ステファニー・タン(アメリカ)
Stephanie TANG(U.S.A.)

  • シューマン:ダヴィット同盟舞曲集op.6

シンプルな黒のドレスに身を包み、にこやかに登場。
お辞儀をする時ニコッと笑った。
かっ、かわいい。

曲はシューマン一色で統一感があった。
小さな音までクリア。

が、どこからか「ピピッ♪」っとアラーム音が…。
興ざめだ。
一気に現実に引き戻されたような感じ。
演奏者に対して失礼でしょ‼︎
怒りスイッチが入ってしまった。

おまけに寒い。
冷房が効き過ぎだー。
男性参加者はシャツ&ジャケットを着ているパターンが多いけど、女性参加者は薄い生地のドレスだ。
しかもノースリーブだったりベアトップだったり…。
寒くないかしら?
手が冷えないかしら?
お節介な思いがわいてきてしまった。

チョン・ヨンファン(韓国)
JEONG Yonghwan(Korea)

  • ベートーヴェンベートーヴェン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ第32番ハ短調op.111
  • リスト:巡礼の年第2年イタリア「ダンテを読んでーソナタ風幻想曲」S161-7

ずいぶんとヘビーな選曲だなぁ~と思っていたけれど…
ただ重々しいだけではなく…
キラキラ光っている部分も見え隠れしていた。
また若々しい勢いをも感じさせてくれた。

小林海都(日本)
KOBAYASHI Kaito(Japan)

  • ハイドン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタト長調Hob.XVl:6
  • シューベルト:即興曲へ短調D935-1
  • スクリャービン:前奏曲イ短調op.11-2
  • ストラヴィンスキー(アゴスティ編曲):組曲「火の鳥」

仏頂面で登場。
機嫌が悪いのかな?と感じたが1音目で思わず2度見してしまった。

美しい。
美し過ぎる。

ハイドンってこんな美しかったの⁉︎
主役と脇役が常に仲良し。
心の垢を取り払って天上界に誘ってくれたわ。
シューベルトではハイドンとはまた違った世界へ連れて行ってくれたし。
もうウットリ。
お風呂場みたいに「ぼわぁ~ん♪」と響くホールをも使いこなしていて…
彼は魔法使いに違いない

…とここで携帯電話が鳴った。
怒りを通り越して泣きたくなった。

スクリャービンもまた美しい。
「火の鳥」では冷静と情熱のバランスが心地よくて…コンクールっていうのをすっかり忘れていた。
本当に素晴らしい演奏を聴かせてくれた。

にもかかわらず最後はドヤ顔ではなく、やっぱり仏頂面だった。

ヴィクトル・マスロフ(ロシア)
Victor MASLOV(Russia)

  • ハイドン:ピアノ・ソナタロ短調Hob.XVl32
  • シューマン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ第3番へ短調op.14

情熱的なハイドンを聴かせてくれた。
若々しさが伝わってくるような…と思ったら22歳なのね。
シューマンもパワフル。
全体的にハードな勢いを感じさせてくれた。

ウィリアム・デイヴィッドソン(アメリカ)
William DAVIDSON(U.S.A.)

  • ハイドン:ピアノ・ソナタホ長調HVl:31
  • リゲティ:ピアノ練習曲集 第2巻 第10番「魔法使いの弟子」
  • ブラームス:ピアノ・ソナタ第1番ハ長調op.1

終始、実直な演奏だった。
そういう性格なのかな?
もっと楽しんじゃぉ‼︎
遊んじゃぉ‼︎
な~んて思ってしまうのは無責任な一般市民だからなのかもしれない。

ファン・ゴンヨン(韓国)
HWANG Gunyoung(Korea)

  • シューマン:トッカータハ長調op.7
  • モーツァルト:幻想曲ニ短調K397
  • プロコフィエフ:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ第6番イ長調op.82

ここでピアノがスタインウェイからカワイへ…。

音が輝いていて安定感がある。
力強さもあってとっても丁寧な印象を受けた。

それにしても…
1時間ごとに「ピピッ♪」と聞こえてくるのは何とかならないものか⁉︎

パク・スホン(韓国)
PARK Soohong(Korea)

  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調op.109
  • ベリオ:6つのアンコール”水のピアノ、地のピアノ、火のピアノ”
  • ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲op.35第2巻

再びスタインウェイに…。
椅子の高さがイズかったのかしら?
何度も確認をしていた。

演奏はシンプルで真っ直ぐ。
スマートで好感度高め。

…ってまた⁉︎
別な所で携帯電話が鳴った。
何故なのだろう?

パク・イェラム(韓国)
PARK Yeram(Korea)

  • J.S.バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調BWV816
  • ベートーヴェンベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調op.31-3
  • スクリャービン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ第5番op.53
ネイビーのドレスを着こなしている。

素敵。

華奢な身体からは全く想像できないパワフルな演奏だった。
ハードなバッハにどっしりとしたベートーベン、そして渾身のスクリャービン。

素晴らしい演奏を薄っぺら~い言葉でしか表せなくて…何だか…ゴメンナサイって思ってしまう。

奥谷翔(日本)
OKUYA Sho(Japan)

  • J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻 前奏曲とフーガ 第14番嬰へ短調BWV883
  • ドビュッシー:レントより遅く
  • ショパン:マズルカ風ロンド へ長調op.5
  • ショパン:即興曲 第3番 変ト長調op.51
  • ラヴェル:ラ・ヴァルス

平均律からスタート。
メインディッシュが続いていたのでホッとさせてくれた。
ドビュッシーやショパン、ラヴェルでも嫌味のないシンプルな味付けで楽しませてくれた。

廣田響子(日本)
HIROTA Kyoko(Japan)

  • ブラームス:スケルツォ変ホ短調op.4
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ 第23番 へ短調op.57「熱情」
  • ドビュッシー:喜びの島

スタインウェイからカワイへ…。

華やかなグレーのドレスがとてもよく似合っていた。
選曲も華やか。
音もパァ~ッと華やかだ。
次第にこちらの気持ちまで華やいでくるのが分かった。
そして驚異的なパワーを感じさせられた。
「生きてるどぉー‼︎」って叫びたくなった。

全曲弾き終わって立ち上がった時、一瞬よろッとなっていた。
そりゃそうだ。
熱情の後に喜びの島だもの…。
私だったら間違いなく途中で気絶するんだろうなぁ~。

ライアン・ドラッカー(イギリス)
Ryan DRUCKER(U.K.)

  • D.スカルラッティ:ソナタ嬰ハ短調K.247
  • ヤナーチェク:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ「1905年10月1日」
  • マスト:即興とフーガ
  • ショパン:バラード第4番へ短調op.52

ピアノは再びスタインウェイへ…。

誠実さが伝わってくる演奏だった。
中でも圧巻だったのはショパンのバラード。
ホント感動しただよ。

中迫研(日本)
NAKASAKO Ken(Japan)

  • J.S.バッハ:イタリア協奏曲 BWV971
  • ドビュッシー:映像 第2集
  • プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第4番ハ短調op.29

スピード感のある若々しいバッハだった。
私は好き。
続くドビュッシー&プロコも華があってスッと染み込んでくる。
素敵だ。

 第1日目が終わって

10:00開始
3人
15分休憩
2人60分休憩
3人15分休憩
3人15分休憩
2人→計13名
20:30終了

1人40分なので3人連続で120分。

正直言って身体的にはツラかった。
腰は痛いしお尻は痛いしでエコノミークラス症候群になるかと思った。

だけども…

超ハードだったけど清々しい気分だった。1日中素晴らしい音楽の中にどっぷりと浸かっていたから、私の心がキレイになったんだ。

きっとそうだ。

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