引き続き、ピアノ部門予選第2日目のレポートです。


目次
- 第2日目の演奏
2019年05月26日(日)
- 佐藤元洋(日本) SATO Motohiro(Japan)
- パク・キョンソン(韓国) PARK Kyoungsun(Korea)
- スタニスラフ・ウラジミロヴィチ・コルチャギン(ロシア) Stanislav Vladimirovich KORCHAGIN(Russia)
- ダリア・パルホーメンコ(ロシア) Daria PARKHOMENKO(Russia)
- バロン・フェンウィク(アメリカ) Baron FENWICK(U.S.A.)
- イ・テヒョン(韓国) LEE Taehyeon(Korea)
- アンドレイ・デニセンコ(ロシア) Andrey DENISENKO(Russia)
- ユン・ジェナ・ジヒョン(韓国) YOUN Jenna Jihyung(Korea)
- 平間今日志郎(日本) HIRAMA Kyoshiro(Japan)
- ラファエル・リープシュタイン(ドイツ/アルゼンチン) Rafael LIPSTEIN(Germany/Argentina)
- ワン・シンラン(中国) WANG Xinran(China)
- アレキサンダー・リー・アガーテ(アメリカ) Alexander Lee AGATE(U.S.A.)
- チェ・ホンロク(韓国) CHOI Hyounglok(Korea)
- ジョスカン・オタル(フランス) Josquin OTAL(France)
- 第2日目の演奏が終わって
第2日目の演奏
2019年05月26日(日)
佐藤元洋(日本)
SATO Motohiro(Japan)
- J.S.バッハ:パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
- スクリャービン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ 第9番 op.68「黒ミサ」
- フランク:前奏曲、コラールとフーガ
ピアノはカワイ。
細かいところまで意識されていて折り目正しい演奏だ。
フランクではフレッシュな印象を受けた。
正に今この年齢、この瞬間でしか味わえない演奏だ。
20年後・30年後、酸いも甘いも知り尽くした彼のフランクをもう一度聴いてみたいと切に思った。
パク・キョンソン(韓国)
PARK Kyoungsun(Korea)
- ハイドン:ピアノ・ソナタヘ長調 Hob.XVl:23
- クライスラー(ラフマニノフ編曲):愛の悲しみ
- プロコフィエフ:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ 第7番変ロ長調 op.83
ピアノはスタインウェイ。
音がキラキラ輝いていた。
勢いも迫力もあるけれどコントロールが行き届いている印象。
余韻をも楽しませてくれた。
スタニスラフ・ウラジミロヴィチ・コルチャギン(ロシア)
Stanislav Vladimirovich KORCHAGIN(Russia)
- ショパン:幻想曲へ短調op.49
- リスト:シェイクスピアのセレナーデS558-9(シューベルトの歌曲によるトランスクリプション)
- リスト:戦士の予感S560-14(シューベルトの歌曲によるトランスクリプション)
- ラヴェル:ラ・ヴァルスラ・ヴァルスラフマニノフ:V.R.のポルカ
ピアノはカワイ。
なんてロマンチックなメニューなの!
遊び心もあってのびやか。
かつ勢いもあってコントロールされている。
心がウルウルしてきてしまった。
ダリア・パルホーメンコ(ロシア)
Daria PARKHOMENKO(Russia)
- ハイドン:ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVl:48
- プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第3番 イ短調 op.28
- ヴァイン:ピアノ・ソナタ第1番
ピアノはスタインウェイ。
衣装は黒のトップにシルバーと黒のストライプ柄のスカート。
シックなドレスがピッタリだ。
姿勢が良くてどっしりと根を下ろしているような印象。
これが「グラウンディング」って事なのかしら?
遊び心もあって実に面白い音楽だった。
ただ、サイドの髪が落ちてきてハラハラしてしまった。
勿論そんな事ぐらいで音がどーこーいう問題はないのだけれど…。
髪が口紅にひっつくといずいだろうなぁ…
な〜んて余計なお節介だわね。
バロン・フェンウィク(アメリカ)
Baron FENWICK(U.S.A.)
- ハイドン:ピアノ・ソナタロ短調 Hob.XVl32
- ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 op.42
- リーバーマン:ガーゴイル op.29
ピアノはスタインウェイ。
「ステージに一歩足を踏み入れた時から演奏が始まっている」とはよく言ったもので、彼が正にその典型だと感じた。
飄々とした様子で登場。
斬新な音楽に一瞬で惹きこまれた。
強烈だ。
サービス精神も旺盛で、客席が愉し気な空気に包まれた
聴衆の顔の筋肉が少~しずつゆるんできているのが分かった。
イ・テヒョン(韓国)
LEE Taehyeon(Korea)
- モーツアルト:ピアノ・ソナタ ハ短調K457
- ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調op.35
ピアノはスタインウェイ。
情熱的なモーツァルトだった。
ショパンも激しい。
聴いているこちら側もつい前のめりになる。
が、3楽章でどこからかひそひそ声が聴こえてきた。
チ───(´-ω-`)───ン
アンドレイ・デニセンコ(ロシア)
Andrey DENISENKO(Russia)
- J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903
- ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番ロ短調op.61
ピアノはYAMAHA。
バッハは音に華があってクリア。
きっちりかっちりな幻想曲だった。
フーガも神経が行き届いている。
ショスタコはお洒落な色で楽しませてくれた。
それにしても…
終始、精神コントロールされていて冷静だったなぁ。
ユン・ジェナ・ジヒョン(韓国)
YOUN Jenna Jihyung(Korea)
- シューマン:フモレスケ変ロ長調op.20
- ラヴェル:夜のガスパール第3曲「スカルボ」
ピアノはカワイ。
ネイビーのミモレ丈ドレスで登場。
右ウエストのお花がアクセント♪
ヘアスタイルも、右サイドを編み込んだポニーテールで、毛先も程よくカールされている。
可愛いし上品だ。
音楽も上品。
表情豊かなシューマンと煌びやかなスカルボを聴かせてくれた。
平間今日志郎(日本)
HIRAMA Kyoshiro(Japan)
- ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調Hob.XVl:21
- プロコフィエフ:風刺op.17リスト:巡礼の年 第2年
- イタリア「ダンテを読んでーソナタ風幻想曲」S161-7
ピアノはスタインウェイ。
どの曲も自然体で好感が持てた。
音を楽しんでいる感も伝わってきた。
更に、エネルギッシュな熱さもぐいぐい迫ってくるようでエキサイティングな演奏だった。
ラファエル・リープシュタイン(ドイツ/アルゼンチン)
Rafael LIPSTEIN(Germany/Argentina)
- ベートーヴェンベートーヴェン:ピアノソナタ第30番ホ長調op.109
- プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番ニ短調op.14
ピアノはカワイ。
音に艶感があった。
また、さり気ない気遣いが随所で感じられた。
終始落ち着いていて聴いているこちら側もリラックスモードへ…。
ワン・シンラン(中国)
WANG Xinran(China)
- ベートーヴェンベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調op.110
- シューベルト:即興曲 変イ長調D899-4
- ラヴェル:夜のガスパール第3曲「スカルボ」
ピアノはカワイ。
ショートカットにパンツルックで颯爽と登場。
カッコイイなぁ…。
シューベルトからスタート。
フワフワ漂っているようで夢見心地になる。
続くベートーヴェンとラヴェルでは艶やかな音色と迫力で楽しませてくれた。
アレキサンダー・リー・アガーテ(アメリカ)
Alexander Lee AGATE(U.S.A.)
- ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」第9番 嬰ハ短調op.33-9
- ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」第6番 イ短調op.39-6
- コリリアーノ:エチュード・ファンタジー
- ショパン:マズルカ第10番 変ロ長調op.17-1
- ショパン:マズルカ第13番イ短調op.17-4
- ショパン:ポロネーズ第5番 嬰へ短調op.44
ピアノはカワイ。
勢いがあって迫力満点。
渾身の力が込もっていた。
客席が少なくなってきたのが何とももったいない。
チェ・ホンロク(韓国)
CHOI Hyounglok(Korea)
- ドビュッシー:前奏曲集 第1集 第6曲「雪の上の足跡」
ドビュッシー:前奏曲集 第1集 第7曲「西風のみたもの」
ドビュッシー:前奏曲集 第1集 第8曲「亜麻色の髪の乙女」 - ショパン:スケルツォ第4番ホ長調op.54
- プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番ニ短調op.14
ピアノはスタインウェイ。
ドビュッシーではそれぞれの曲で情景がすぅ~っと見えてきた。
幻影って本当にあるんだなぁ〜。
ショパンは丁寧かつ冷静で程よく抜け感もあった。
プロコでは勢いもあるけど熱くなり過ぎず…
う~ん、素晴らしい。
プログラムも段々と盛り上がってくるように組まれていて、味わい深く堪能させてもらった。
ジョスカン・オタル(フランス)
Josquin OTAL(France)
- シューマン:交響的練習曲op.13
- スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番op.53
ピアノはスタインウェイ。
身体の動きはあまり大きくない。
だけども、前へ前へという気持ち…
アツイ想いがガツンと伝わってきた。
第2日目の演奏が終わって
10:00にスタートして…
3人→15分休憩→
2人→60分休憩→
3人→15分休憩→
3人→15分休憩→
3人→合計13名
終わったのは21:15
初日と合わせて、この時点で25名の演奏を聴いていた。
素晴らしいピアニストばかり。
だけど、セミ・ファイナルに進むのは12名。
何とも言えない複雑な心境だ。

